≪思い出 2 そして、終劇まで≫
続・若気の至り

    かくして私のEVAな日々が始まった。まず全容を知りたい、とFilm Bookの補完に励む。 これが実に詳しい説明、補足が書かれていて、作品理解に随分役立った。 恐らく普通にTV放映を観ていたとしても、ちっとも理解できなかったであろう。 私はこの本を通して、ようやく一連の話を楽しめた。 そして、確かにこれではファンが怒るのも無理ないなぁ…と判るようになった。

    もう一つ励んでいた事は、アスカの落描きである。 教室の私の机の上には、必ず一つはアスカの落描きがあるようになった。 薄くなったら描き直し、の繰り返しである。 これには自己満足の他、教室移動が多かった為、 私の机に座った誰かにアスカ(とEVA)をさりげに宣伝する、という目的を兼ねていた。 (恥です。マネしないで!) 勿論ノートにもアスカが増えていった。(特に日本史に多かったのだが、 1年後そのノートを急遽同寮の子にあげることになり、あわてて泣く泣く全部の落描きを消すはめになった。)

    夏にミサトファンの友人と、わざわざカナダでEVAの話題で盛り上がって顰蹙を買ったり、 冬の深夜再放送初日に友人宅に3人で外泊して、夜を徹してEVA大会を開いたり、 寮でその再放送を観る為に友人と企んで寮生活最大の汚点(悪事)を働いたりした。 今となってはどれも、よくやったなぁ……(懐)という思い出である。 この再放送で初めて動くEVAを観たのだが、(前にもちょこっとだけ観た事あるけど、) それまでFilm Bookを読んで「これは実際に観てみたい!」というシーンの数々を観れて感慨深いものであった。 (特にエヴァの咆哮と、62秒!) 映画の予告もとてもかっこよくて非常に気に入り、学年末試験パロまで考えてしまった。 NIFTYのEVA会議室も、熱いパトスがあふれ出るほどの盛り上がり様で、見つけた時は他の人々の考察を読みふけった。

    97年春、友人の友人ら含めて総勢6人で『DEATH & REBIRTH』を観に行った。 『DEATH』の方は作画がきれいで良かったけど『REBIRTH』の絵には、ΣTT がーん! アスカがメインなのに!!(涙)  アスカ大ピィ〜ンチってとこで終わってしまい、その後、アスカを本当に心配して心配して4ヶ月を過ごす。
『REBIRTH』鑑賞後に書いた文が、高校時代のフロッピーから出てきた。 リアルタイムの感想は貴重なものだと思ったので、恥を忍んでアスカ感想の箇所だけ下に写してみる。(一部編集済み)  (その他もぐだぐだ書き残してあるのだけれど、それは多くの人たちの感想と同じようなものだと思うので、省く。)

----『REBIRTH』では、一応の復活(私はアスカが崩壊してしまう弐拾弐話は映像ではまだ観ていない。)したけど、 なんか束の間っぽくて、とっても不安。しかも夏の予告で「ミサトさんも死んだんだ。アスカも死んだんだ。」なんていう、 シンジの台詞があるし、アスカの死っぽい絵も使われていたし… EVA、特にREBIRTHでは「死」というものがとても現実的に描かれているので、観てものすごいショックを受けた。 大抵の作品は、どんな危ない状況に遭っても「メインキャラは死なない」という気持ちで安心できるのだけど、これは違う。 いつ、誰が死んでもおかしくない。こんなに「死なないでほしい」「守ってあげたい」「幸せになって」って思ったキャラ、 アスカが初めてなのです。あんな風に死んじゃったらかわいそすぎる…----

    そして、最後の夏。「これで本当に最後なんだ…」と、どきどきしながら、今回は友人と2人で観に行く。 アスカの死は覚悟していたけど、想像してたよりはきれいな最期でほっとした。絵もずっと丁寧に描かれてたし。 (EOE「非戦闘シーンの」アスカ絵は個人的にかなりの高評価。アスカを綺麗に描くには、髪が命!)  そのままアスカは死んじゃったと思ってたから、ラストでアスカを見た時はとても嬉しかった。 そして、終劇。幕が閉じてしばらくの間、硬直して動けなかった。 「え…?これで、これで終わっちゃったの?これで?終わり?これが?」  硬直が解けても席を立つことが出来ず、そのまま居続けて2回目を観る事に。 勿論それでも納得がいかず、ショックでその後数ヶ月アスカの絵が描けない状態に陥る。

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