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いろんな感想



◇スキップ ◇ターン ◇リセット
◆ブギーポップ ◆キノの旅 ◆新井素子
◇神隠し譚 ◇TIME LEAP ◇ボクの憂鬱


01
スキップ ・・・ 北村薫 1995
ある日の午後、部屋で昼寝をする前までは、私は一ノ瀬真理子、17歳の高校生だった。 …目が覚めたら、私は桜木真理子、「夫」も17歳の「娘」もいる、42歳の高校教師だった。 突然に失われた25年間。それでも私は前へ歩かなくてはならない。
新田君!!!!!!!!

叫びの理由が知りたい人は今すぐ読みましょう。
(間違えた紹介の仕方。)
  最後の最後、突然の新田君⇒主人公の展開にもう驚いてときめいて、知り合いの男性に、 「高校生くらいの男子生徒が、自分の母親ほど年上の女性教師に恋心を抱くことはありえるのか」という質問をしてしまったくらいです。(彼の答えは「ありえる」でした。) これを読んで「男子生徒v年齢差女性教師」に激しく目覚めた。 年齢差がないとどこかの少女漫画になってしまうので、せめて10歳以上の差がほしい。 とにかくもう、新田君⇒主人公に萌え上がりました。たまらん。
  劇も観に行きました!面白かったです。まさかあのシーンを生で見れるなんて……!*

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02
ターン ・・・ 北村薫 1997
「わたしは置いて行かれた。――皆なはマラソンのコースに出て行ったのに、 わたしだけトラックを回っている。がらんとした、誰もいない競技場のトラックを。―― そう考えれば説明がつく。この誰もいない世界の説明が。」
  半泣きで身震いしました。 私だったら、マネキンが怖くてデパートにも行けないだろう。 でもそんな状態になったらしめたもので、 とりあえず、本屋に行って読みたかった本類をむさぼり読む日を送って、それから考える。
境遇の戦慄はこっちの方が上なのだけど、前回のスキップに比べると物足りない感じ。
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03
リセット ・・・ 北村薫 2001
戦中・戦後の二人の男女の話。
毒入り感想↓
  読み進めるのが苦痛だったので、やっつけ作業で読んで行きました。 「時と人」三部作の最後なわりに、かなり拍子抜け。 前二作は主人公が「異常な境遇」に陥ってしまい…というのが楽しかったのに、 今回のは、使い古された「転生モノ」でした。あれれ? 私は転生を信じてないので、後半部分でそれが判って更に興ざめ。 (嫌いではないが、ロマンチックね★で終わる。) (『楽園』(鈴木光司)のいいところは、「転生」ではなく「子孫」なところにある。)
転生好きなら読むべき作品です。
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04
ブギーポップは笑わない ・・・ 上遠野浩平 1998
ある高校で起きた怪奇事件。
影に見え隠れするブギーポップとは…?
ものすごく異常な話。
でも、「結局は、なんでもないことになってしまうんでしょうね」という話。
  特筆すべきは、一つの話を数人の主人公に別々に語らせているところ。 皆それぞれ、同じ一つの事件について語り、最後でようやく話の輪郭ができるのだが、 一人一人は自分が経験したことしか語らない、語り得ないので、全体から見ると情報量が圧倒的に欠けている。 これは現実の日常生活もそうであって、私たちは結局、自分以外のことについては知り得ないのだ…。
私はあまり人に薦める気はしないが、読んでみたいという人には止めない。  シリーズで続いています。
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05
キノの旅 ・・・ 時雨沢恵一 2000〜
少年の格好をした女の子「キノ」が、しゃべるバイク「エルメス」を相棒に、 世界にある色々な「国」を訪問し続ける、終わらない旅のお話です。 一つの国での滞在期間は三日だけ。 私たちが今いるこの世界とは、似ているようで全く似つかない国々。 そんな「狂った」国々で、生活して生きている人たちがいます……
  アニメを先に観て、小説も微気になりだしたので全巻揃えてしまいました。 これも無条件に人にすすめられるような話ではないと思います。
ですが。後書きだけでも全部立ち読みしてください。 作者の後書きの才能に惚れます。

多分キノの世界は、この地球の300倍は広いと結論。

〜カノン〜
空行く鳥 遥かな想い出
夢見る翼 憧れ乗せて
春の日の胸の思いすべて
あの虹のかなたに運べ
君の瞳 世界映す鏡
いつも優しさを忘れずに
悲しい言葉胸に満ちても
まなざし強く星をみつめて…
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06
新井素子
いくつか紹介
『くますけと一緒に』…主人公と一緒に叫びたい人向け
『おしまいの日』…主人公と一緒に狂いたい人向け(読書時の注意:気分良好の時のみ可。)
『ひとめあなたに…』…登場人物と一緒にオワっていきたい人向け

彼女の一人称の文体にはクセがあるので、それを受け入れられれば読めると思います。

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07
神隠し譚 ・・・ 2001
色々な作家の、神隠しを主題にした作品を集めたアンソロジー本です。全14編
  (恐らく『千と千尋』ブームに乗じた出版。) 私は別に、それを観たからではなく。 いいですねー。神隠し。ぞくぞくきます。 いろんな作家の神隠しネタの短編が読めて、お得です。なんと水木しげるの漫画も収録されています。 もう絶版だそうで、図書館で読んでみるといいでしょう。
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08
TIME LEAP ・・・ 高畑京一郎 1995
「私の『明日』は明日なのかしら?」

月曜の朝、鹿島翔香がいつも通り学校に行くと日付は「火曜日」になっていた。 周りに訊くと、翔香は「昨日」も登校していたという。 しかし自分には「月曜日」の記憶がない……!


「『全疑』で聞いてたからな」
  これはもう、堅苦しい事云わずに素直に面白い!!話です。2回も読んじゃいました。 こういう時間モノは、よくよく考え込むとワケ判らなくなるので、極力考えないようにしてますが。
  高校時代が懐かしい。若松君、あなたは大物になります!(その頭脳を埋もれさせて置くのは世界の為にならない!) だってこれは主人公の目で見てる読者と違って、彼からしてみれば相当にややこしい状況だったのにも関わらず、 それに対する対策を完璧にこなしてみせたのだから。彼は賞賛を受けて然るべきです。
で、結論→主人公、オイシすぎ!!

映画も面白いらしいですが、原作と微妙に違い、 原作では完璧だった時間のパズルに、一箇所だけ穴が空いてしまっているそうです。

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09
ボクの憂鬱 彼女の思惑 ・・・ 堀田あけみ 1990
18歳の双子、美奈と美穂。
なんでも上手にこなす妹の美穂がいるため、 姉の美奈は、自分を主張する方法を必死に探し出して生きてきた。 その最も効果的な手段が、自分の一人称を「ボク」と称することだった。

本の内容は、高校卒業後の1年間が、 美奈の視点:「ボクの憂鬱」、 美穂の視点:「彼女の思惑」 の二本立てで書かれた、面白い作り。


  双子のアイデンティティーの問題を扱った、今手に入る中で最良の作品。 という紹介を見て、読んでみました。
  最後は…なんか… 美穂に悪気がないだけに、美奈が救われない…。 というのは別にして、双子に興味ある人にもそうでない人にもおすすめの一冊です。
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小説メモ
マイベスト:塩狩峠

野菊の墓…授業中なのにぼたぼた泣いた。

ミステリーランド 装丁が良く、面白そうなので全部揃えてみたい。『くらのかみ』しか買ってないけれど…

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