The Violinist of Hameln
全話予告台詞集

第一楽章(01〜12)


第01話 「鎮魂歌」

太古より、人と魔族の戦いは、その姿と形を変えつつ
幾度となく繰り返されてきた。
だが後に、第二次スフォルツェンド大戦と呼ばれる
聖戦の幕を、あの美しくも哀しい一曲の
バイオリン演奏が開くとは、誰が想像したであろう。



第02話 「運命のくるみ割り人形」

旅人はその遠き道の果てに眠り、
優しき隣人はこうべを垂れて少女への忠誠を誓う。
遠くまだ見ぬ少女の祖国は、大いなる魔の力によって、
その安息の日々を終えようとしていた。
そして、ハーメル、おまえは…。

(ハーメル)「村が…」
(フルート)「村が・・・燃えてる」



第03話 「白鳥の湖」

歌うたいのバーディ。力自慢のザンパーノ。
踊りの名手ダンス。太鼓のブリキ。
腹話術士のホロと人形のスコープ。
そして、一座最後の登場は…。
さあご喝采、ピアノ弾き、花のライエル。

(フルート)「あれは… 魔曲」



第04話 「アンセムの追憶」

友との再会は、ただいまわしき記憶との出会いなのか。
遠い日の、あの光輝く日々をさがして、
少年たちは今またふるさとに立つ。
その大地がいかに荒れ果て、
魔の棲む地獄となっていようとも。

(サイザー)「弱い犬ほどよく吠える」



第05話 「ダルセーニョ炎上」

「我こそは、ダルセーニョが第56代目国王
シュリンクスが一子、トロン・ボーン」
その名乗りを、志高き父に捧げよ。
そして・・・、慈悲深き母に。
ああ… いまだ、幼き子よ。

(ハーメル)「なぜだ… なぜこんなに息が苦しい。
頭が… 熱くなる・・・」



第06話 「五つの希望の名の下に」

友への疑惑は己をさいなみ、
己への嫌悪は友への信頼を空しゅうする。
少年は己の中の悪魔のために、
少女は己の中の愛のために、それぞれの運命を歩み出す。
もう、決して、交わることのないかもしれぬ道を。

(トロン)「ほっといてくれよ… にせもののお姫様なんかに」



第07話 「後継者・ハーメル」

魔界軍王サイザー。
翼を持つ者たち、妖鳳軍の長(おさ)
人にあらず、魔にあらず、赤き血の翼を持つ堕天使。
その頬を流れるものは雨か、血か。
… いや、おそらくは一筋の涙。

(パーカス)「大魔王の血と肉を受け継ぐ者」



第08話 「パンドラの箱」

ふるさとは、帰り来た旅人を苛酷にもてなし、
旅人はふるさとを嫌悪する。
しかし、傷ついた少女の悔恨は
いともたやすく締観へと変わり、
二つの道はようやくその姿を少年の前に現す。
少年は、何かを思い出したかに見えた。

(ギータ)「お迎えにまいりました。
魔界のプリンス、ハーメル様」



第09話 「勃発! 第二次スフォルツェンド大戦」

少年は友のもとを去り、少女はひとり壁を背に立ちつくす。
そして、娘への苛酷な仕打ちを、
まるで自分へのそれであるかのように、母は遠くを見た。
後に、第二次スフォルツェンド大戦と
呼ばれた戦いは、こうして始まる。

(クラーリィ)「すべての力あるものは、我に従え!」



第10話 「<<人>>と<<魔>>の狭間に・・・」

友よ。
人は、ただ一度の微笑みをうるために、その命を賭けるか。
・・・知らず。
ならば問う。人は、ただ運命に操られた人形か。
・・・否、否。断じて否。
ああ・・・ハーメル。

(ハーメル)「これだ… これなんだ、俺の待っていたのは」



第11話 「真実の鏡」

心より願え、真実の時を得んと。
心より誓え、いかなる真実であろうと
決して目を背けることはないと。
遥かなる歳月の後、全てはよみがえり、
少女は今、真実の母を見るか。

(クラーリィ)「ホ、ホルン様… まさかあなたは・・・」



第12話 「旅の終わりに」

魔界軍王・ドラム。
幻竜軍の長(おさ)にして、魔界最強の破壊の王。
しかし、二つの首を持つそのまがまがしき姿さえ、
ひとときの仮の姿。
その両腕に生えたドラゴンさえ、ひとときの戯れ。
ああ、幻竜王ドラムよ、永遠なれ。

(フルート)「ハーメル・・・来て」


第二楽章(13〜25)


第13話 「戦いの傷痕」

少年の二つの道は終わり、少年は己の姿を見た。
そして、少女の母への旅も。
しかし、友は、母は、魔は… そして、ハーメルは。
ああ… 何も、終わることはない。

(ライエル)「これで… これで僕の旅も終わる」



第14話 「新たなる旅立ち!」

16年の昔交わされた、慈悲深き女王ホルンと、
一人の幸薄き女との密約。
それは、世界の運命をも変えたかもしれぬ。
それは、交じることはなかったのか。
ただひとつ明らかなるは、互いに子を思う母。

(サイザー)「復讐・・・ 忘れるな、その美しい響きを」



第15話 「別れの港・センザ」

そこに人々は集い、別れを惜しみ、
つかの間の時を過ごす。
いにしえの東の詩家の歌に曰く、
孤帆の遠影碧空に尽く、と。
その町はこう呼ばれた、別れの町・センザ。

(フルート)「ハーメル!来てよ!… 私の手を離さないで!!」



第16話 「滅亡国家・スラー」

10年の昔、ひとりの堕天使によって滅ぼされた
最強の軍事機械国家・スラー。
もはや、この世にはないはずのその国へ、
人々は何者かに導かれ、風に追われるかのように、急いだ。
いや、何者かを断ち切るためにか。

(シターン)「余はあのとき誓ったのだ。必ず帰ってくるとな」



第17話 「魔族として」

深き海の底より浮上した、要塞塔スラー。
10年の昔からよみがえった復讐の亡霊たちよ
剣を忘れ、己の体を機械となし、
おまえたちが目指すものは。
少女は自らを忘れ、
少年は再び自らを思い出そうとしていた。

(フルート)「化け… 物・・・」



第18話 「ラスト・ショー」

ヘリウッド一座の歌姫・バーディ。
その歌声は、兵士たちをふるさとへと帰し、
天なる神さえもひとときの安らぎを得ん。
そしてここに、その歌声に心乱れ、
あるいはその歌声に母を見る哀しき娘がいる。

(コキュウ)「今こそ念願の、ラスト・ショーの開演です」



第19話 「心 乱れて・・・」

母は歌う、遠い我が子のために。
歌は、歌い継がれ聞き継がれた。
そう、その運命の時のために。そう、最後の時のために。
今はいない子供たちのための子守歌。

(ベース)「新たな舞台は整った」



第20話 「復讐の幕開け」

コキュウ・刃の戦士。ガイタ・炎の怒り。
ゴーン・ほとばしるいかづちの体。
リラ・秘められたしなやかな鞭。ショウ・黒き鋼の球体。
その最期の時、彼らは父を愛した。
… さらば、悲しき狂王の子供たちよ。

(フルート)「もう一度やりなおそうって言ったじゃない。
… もう一度」



第21話 「ツィゴイネルワイゼン」

ここに、いくつかの家族がいる。
五人の兄弟は、母を、父を慕い、散っていった。
妹は兄と母を憎んで涙を忘れ、
兄は戦いのただ中にそのことを知る。
そして、もう一つの哀しい家族が再会する。

(ハーメル)「おまえは、俺の忘れた過去を知っているのか!」



第22話 「最後の「皇帝」」

かつて、スラーと呼ばれたその浮遊大陸は、
その使命を果たすことなく最期の時を迎えた。
殺戮と絶望は荒れ果てた大地に満ち、魔曲「皇帝」は響く。
実りなき最後の復讐のために。

(フルート)「覚えてる、スタカット村で、これと同じことが」



第23話 「たち切れぬ絆」

子は、父を愛した。
父は再び、遠い昔に流した涙を思い出す。
子は初めて父にいだかれ、父はその両足で大地に立つ。
そして母は、娘の前についにその姿を現す。

(サイザー)「天使の私に与えられたのは、殺戮の道だけ!」



第24話 「開かれた箱」

娘は、一人の若者と出会い、
そして命の続く限り愛し続けることを誓った。
若者は、娘の愛を信じた。
娘の名は、パンドラ。
そして、その若者の名を、ケストラーという。

(パンドラ)「あの日・・・あの日射しの強い夏の日」



最終話 「終わりなき ひとつの道」

長き、旅の終わり。
パンドラ。ギータ。ドラム。サイザー。ベース。
トロン。コルネット。レシク。パーカス。クラーリィ。
オカリナ。オーボウ。ホルン。リュート。ライエル。フルート。
・・・ハーメル。

(フルート)「私、世界を救える たったひとりの女の子なんだって」


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