鬼神童子ZENKI

破咒!ヴァジュラ・オン!アーク!

★作品紹介★
1200年の昔。
稀有の咒術師、役小角[えんの おづぬ]の使役鬼神<前鬼ゼンキ>と守護鬼神<後鬼ゴキ>。 その強暴さを危惧した小角は、世を去る前に前鬼を石碑の中に封印する。
そして現代。
小角の造った里、式神町に住む直系子孫の55代目、役小明[えんの ちあき]。 まだ未熟ながら、代々の家で祓い師も営む女子高生。 ある日、堂に安置してあった<憑依の実>の封印が破られ、<憑依獣>と遭遇する。 絶体絶命の中、小明が手首にかけた<護法輪具>に咒文を唱えると…
かくして甦った最強の鬼神、前鬼。 だが彼には、「忌々しい」もう一つの術がかかっていた。 本来の力を持った鬼神に戻れるのは、有事の時に小明の召喚によってのみ。 普段は、子供姿になってしまうのだ。
世にちらばった<憑依の実>。 実に取り憑かれた人は、欲望の赴くままの怪物<憑依獣>へと姿を変え、襲いかかる。 闇の背後にいるカルマ四人衆。  世の破滅の為に魔犬に実を与え続ける少年、犬神狼[いぬがみ ろう]
味方になるのは、頼りになる祖母(小鬼[さき])。 その弟である住職(寿海)と、坊主(栗林)の凸凹コンビ。 ついに覚醒した少年、後鬼。
今、前鬼と後鬼を従えて、小明達が闇を祓う!

月間少年ジャンプ連載:1992〜1996。全12巻。
竹書房 バンブーコミックス 新装版全7巻。
放映:1995/01/05〜1995/12/25。 全51話。
(OVA:鬼神童子ZENKI外伝 黯鬼奇譚/1997)

★感想★
  大好きなアニメでした。 ほんとに、毎回毎回楽しく観てました。 高校で入寮してからは、通学生の友人に頼んで録画してもらってました。 (でもビデオは返してしまいました…)  12月の終わりに最終回を観たときのことを、まだ覚えてます。 良い終わり方でした…。

  ZENKIファンの友人と一度だけ寮の娯楽室で放映を観たり、 大学図書館で役小角について調べて授業レポート出したり、 元の伝説では前鬼と後鬼が夫婦(!)だったというのを知って、 後鬼のウェディング姿(!)を想像したり、 同人誌を見せてもらったり、原作漫画を安く譲ってもらったり、 後鬼のポニーテール&耳飾キラーンの三代目変身ぶりに騒いだり、 不毛で有意義な思い出を作りました。

  私が子供の頃からの歌のヒーロー、影山ヒロノブさんがOP!!で、 OPは二つとも、絵も内容もかっこよくてとても気に入ってます。 先日ようやくその歌を入手しまして…… 懐かしさに感涙。  どうやら原作の方も影山さんのファンらしくて、 自分の作品を影山さんに歌ってもらえるなんて 嬉しかっただろうなぁ、いいなぁ〜と、羨ましかったです。 3つあったEDは、初代しか聴くに耐えませんでしたが。

  原作は、月刊少年ジャンプで連載していた漫画でした。 はっきりいって1巻以外かなり……で、 当然アニメの方が好きだったので、この感想はanime欄に入れました。 原作…絵は丁寧に描かれてるんだけど、内容がー……! なんだか巻を増すごとにトンデモ話に・・・。 なんですか、あの最終回は。  毎コマ、不自然なパンチラに熱入りすぎ。 そして色彩をごにょごにょ。
  1巻と、11巻の後鬼のポニーテールだけは良かったです。 小明のコスチュームと輪具も初期が好き。 あの払い師の服は、数少ないコスプレしてみたいと思う服です。 何巻かの単行本巻末に、小明役の横山知佐さんのコスプレ写真がありました。 1巻だけはおすすめできる内容です。正式韓国語版も持っています。

  TVアニメは良い風に作品を消化していて、いい出来だったと思うんだけどなぁ。 なんでこんなファンが少ないのかなぁ…。(パンチラとか言うな。) ネット検索によると、まだ海外の方がファンが多そうだ。 子供受けしそうな判りやすい設定だし、 ツボな人には楽しめる内容だと思うんだけどなぁ。 (そこがマイナーなのかな…)
  咒文(魔法呪文)、護法輪具(魔法アイテム)、前鬼(変身)、祓い師(コスチューム) という、魔法要素悪敵集団→憑依の実→とり憑かれる犠牲者→実が引き起こす毎回異なる災い→ 苦戦→咒文→敵味方巨大化しての戦い、 という、特撮要素。 幼少時に自分が親しんできたこの二大要素が見事に合わさった、という点で ツボどころ以前に、自然と自分にシンクロしたかんじ。 このポイントポイントにうなづけた人には、是非ともお薦めです。
  小明が咒を唱えて五芳星を描きながら前鬼を召還するシーンは、 ほんとにかっこよくて、毎話毎話観てても飽きません! 小鬼[さき]ばあちゃんもかっこいいのよー! LDジャケットの絵が小明一人でかっこいいです。欲しい。また観たいよー。 キャラデザ少し変わってたけど、OVAも観てみたい。 ゲーム色々出てましたよ。プレイしてませんが。

  絵も描いて載せたいのに、小明だけじゃなくて前鬼や後鬼もいないと雰囲気でない。 でも、その二人がものすご面倒くさい格好で…… くぅ
そういや、最後の方は時期がEVAとかぶってたんだよな…  今気付いた。すごい違和感。 ZENKI終わってからEVAにはまったんだなぁ…。

  2005年に、集英社ではなく竹書房から新装版漫画本が出版されました。ジャンプコミックス全12巻がバンブーコミックス全7巻になっています。表紙や折り返しは描き下ろしで、小明が今風の萌え少女になってます……!これはこれでかわいいんだけど、当時と今のあまりの絵の違いに、複雑な気持ちに……。まゆも細くなってるし、あまりにも別人すぎて…。あの頃の小明は、彼の中ではなかったことになってるのかなと思うと…。

★咒文リスト★
忘れぬよう書きとめたのが残ってました。
------ ----- ----- ----- -----
アニメver.
------ ----- ----- ----- -----
―召還―
我 解くる 鬼神の呪縛
秘咒の刃にて封咒を断つ!
破咒!ヴァジュラ・オン!アーク!
現臨せよ、汝、前鬼!
------ ----- ----- ----- -----
闇を切り破く武器となりて、
我に力を与え給え!
時の覇者よ、金剛竜よ!
------ ----- ----- ----- -----
超 鬼神力!
ヴァジュラ・マハル・サムスカーラ!
------ ----- ----- ----- -----
------ ----- ----- ----- -----
原作ver.
------ ----- ----- ----- -----
―現醒―
我 解くる 不動の縛り
魂振りて 現臨せよ!
汝、前鬼! 我に従い邪を祓え!
------ ----- ----- ----- -----
―鬼神解縛秘咒―
我 解くる 前鬼の咒縛
破咒の印 秘咒の刃
封咒を断たん!
我が命にて鬼神力解放せよ!
破咒! 前鬼召還!
金剛 絶対帰命[ヴァジュラ・オン]!アーク!
------ ----- ----- ----- -----

★役小角★
元の伝説を軽く紹介します…。
  役小角[えんのおづぬ]は修験道、山岳密教の祖といわれている。 日本霊異記に記されるその名は、役優婆塞[えんのうばそく]ともいい、 孔雀明王経を学び、神通力に長ける。 二人の夫婦鬼神、朱の前鬼と蒼の後鬼(色は反対かも)を従えて 葛城山と金峯山の間に橋を架けた説話が有名。 役小角の力を恐れ妬んだ神々の一人、 葛城山の神である一言主命[ひとことぬしのみこと]が 小角の弟子、韓国連広足[からくにのむらじひろたり]にとり憑いて 「小角は帝の反逆者」という流言を流した結果、 母親の命と引き換えに小角は島流しに。
  しかし刑に服している間も、夜になると海の上を走るとか、 駿河の富士山まで飛んで行き修行しているだとかの噂が立つ。 そして三年後に釈放されるが、仙人になった小角は飛んで消えてしまう。 後に、かの三蔵法師の弟子の道昭法師が新羅で500頭の虎に法華経を教えた際、 虎の群れの中に役優婆塞を名乗る者がいた。 法師があわてて探したが、どこにも見あたらなかったという。 ちなみに、役優婆塞を陥れた一言主命は彼の神通力で縛られたままである。
  もっと興味のある方はこちらを
Σオリジナル劇もやってたみたい。観たかったぁ〜…

お気に入りの章へ


鬼神童子ZENKI(C)谷 菊秀・黒岩よしひろ/ 集英社KITTY FILMSTV TOKYO