わたしとわたし 〜 ふたりのロッテ 〜

Lotte : わたし、お父さんが欲しい!
Louise : わたし、お母さんが欲しい!

*作品紹介*
  ドイツのミュンヘンから来た、おとなしいロッテ。 オーストリアのウィーンから来た、おてんばルイーゼ。 スイスのサマースクールで偶然に出会った、そっくりな顔をした2人の少女。 実はこの2人、幼い頃に両親の離婚で別々に引き取られて育った、双子同士だったのです!
  真相が判った2人は、「両親を仲直りさせて、4人で一緒に暮らす」ことを願って 「双子の入れ替わり」という、とんでもない秘密の作戦を考えつきます。 お互いの情報を全て教え合った双子は、サマースクール終了を機に、 ロッテは、まだ見ぬお父さんのいるウィーンへ。 ルイーゼは、まだ見ぬお母さんのいるミュンヘンへと、見事入れ替わってしまいました。
  性格も特技も好物も正反対の、2人の新しい生活はドキドキハラハラの大連続。 しかも、お父さんにもお母さんにも、別の再婚話が!? 果たして、家族4人が再び一緒に暮らせる日は来るのでしょうか!?

放映:1991/11/09〜1992/09/05。 全29話。

*感想*
  これも大好きなアニメで、初回から毎週真面目に観てました。 丁度、習い事の水泳から帰ってくる時間でした。 (その前に放映していた『おちゃめなふたご』は観ていなかったのに。) きっと、新聞で『わたしとわたし』という題名を見て、惹かれたんでしょうね。 そしたら始めのOPから良くて、すっかり「ふたりの」世界に夢中になりました。 やっぱり、子供目に話の題材が面白かったんですよね。 双子の入れ替わりっていうのが。 話も毎回毎回面白くて、少しずつ進展していって。 二人の髪型が結構違うので、私はあまり同じ顔には見えませんでしたけど。 他の人にはどう映ったのかしら。  主題歌(WINK)のOP、EDをテープに録音しようと頑張ったこともありました。 その後、小学校の友人から借りたシングルCDにその歌が入っていて、 しっかりダビングしたテープが残っています。 (このページの 壁紙 にしたひまわりは、EDの歌詞から♪)

今でも、場面場面がまざまざと脳裏によみがえります…
(↓あらすじばれ↓)

・バスを降りたロッテと、それを出迎えたルイーゼが出会う最初の場面。  自分に似ているロッテを快く思わないルイーゼとその級友達。  食事中にルイーゼがロッテを蹴る、それを耐えるロッテ。  夜、ベッドの中で声をこらして泣くロッテの髪をやさしくなでるルイーゼ。  それに気付いて、はっとなるロッテ。  (ここでナレーションと共に第01話が終わる。)
・急速に仲良くなったロッテとルイーゼ。  ロッテがルイーゼの髪をとかしてあげて、  二人は全く同じロッテのおさげ姿で食堂に現れる。  静まり返る食堂。  「どっちがルイーゼでどっちがロッテなの?」  ルイーゼの級友が二人のおさげをひっぱる。  とたんにその子の顔がはたかれる。  「こっちがルイーゼだわ!」
・自分達が双子だと判って、「入れ替わり作戦」を考え付く。  庭で二人だけの情報交換をする。教えあうことは山ほどある。  いきなり仲良くなった二人に、級友達はちょっと不満げ。  写真屋さんに遠出をして、二人の記念写真を撮ってもらう。
・入れ替わってオーストリアに行ったロッテ。  迎えに来た車の中、お父さんの隣で緊張してじっとしている。  それを指摘されたロッテは、無理にはしゃいで見せるがよろけてしまう。
・一方、ミュンヘンに来たルイーゼ。  いくら待ってもお母さんは現れず、列車のホームで一人心細くなる。  ようやく現れたお母さんに抱きしめてもらったルイーゼ。  お母さんはお仕事が忙しかったのです。
・お母さんのためにロッテの得意料理を作ろうと頑張るルイーゼ。  結果は大失敗。仕事から帰ってそのありさまを見たお母さん。  泣き出すルイーゼ。反省するお母さん。  「この子はきっと疲れているのだわ。」
・編集社に雑誌表紙の案として送られてきた一枚の双子の写真。  それを見て、すべてを悟ったお母さん。  帰宅したお母さんは、娘に「ルイーゼ」と話しかける。  それに気付かずに話を続けてしまうルイーゼ。  一瞬後に気付き、持っていたお皿を割ってしまう。 (このシーン、原作では呼ばれたと同時にお皿を割るんだけど、 やっぱりアニメの、このワンテンポ後で気付くってのが良いよなぁ〜。 ニクイ演出です。 ついでに原作の挿絵は、お母さんだけはアニメとそっくりです。)

  …記憶にあるシーンを書いてきましたが、 この話に名場面は沢山あって、それこそ毎話毎話が名場面なんです。 お母さんの名前である、<ルイーゼ=ロッテ>を双子の娘に分け与えた っていう設定もポイント高いです。

  放映期間に比べて話数が少ないのは、野球中継の為。 後日談的な最終回(蛇足)は、その埋め合わせのために作られたそうです。 放映日が不定期だったので、 最終回直前の結婚式を見逃して、今でも後悔のしきり。 新聞に最終回と出た日にちゃんと観たら、結婚式終わってるんだもん!(大涙) もー大ショック。  しかも最終回の内容…良くはなかったし。 結婚式シーンの回想もワンカットしかなかったし! そんなわけで、不消化で終わってしまったのが未だに尾をひいてます。 是非ともDVD化を。

☆追記: 念願の全話鑑賞ができました!
本当に、色あせない傑作だということを再確認しました。 より多くの人たちが、いつまでもこの作品を観る機会を持てるようにして欲しいです。

  ドイツにちょこっといた時、手違いでミュンヘンになってしまって、 あまりノれなかったのですが、ある時に 「ここってロッテが住んでたとこじゃん!」 と思い出してからは、なんなく過ごせました(笑。 中央駅のホームとか、「あぁ…ここでルイーゼが一人待ってたのね…!」なんて。 ドイツ語原書と朗読テープを入手してきましたv
(特に故郷のドイツ語圏の人達にこそ、このアニメを観てほしいです。これこそ逆輸入を!)

*映画*
  この作品は名作なだけあって、映画も劇も各国で何回も作られています。 私が観たのは、1993年ドイツ制作映画一本だけ。 近くの映画館では上映していなかったので、 中学時代、あまり乗り気のない友人を強引に誘って、 わざわざ東京中心部まで行って観てきました。 内容はまあまあだったんだけど、設定が色々違うところがあって、 原作アニメ重視の私としては、不満を感じざるを得ませんでした。 (こういう新しさが楽しめたって人もいるかもしれませんが。)
原作、アニメの名前は <ロッテ=ケルナー>と<ルイーゼ=パルフィー>なんですが、 この映画では、二人の名前が反対で苗字も違うんです…
→<ルイーズ=クローガー>(原作ロッテ)、
 <シャルロッテ=パルフィー>(原作ルイーゼ)
しかも、シャルロッテの方は愛称が「チャーリー」で、 「シャルロッテ」という名前はほとんど出てきません。 映画の題名も『Charlie&Louise』。 原題の「ロッテ」はどこへ・・・(T T) これといった理由もないだろうに…。
あと、主演の双子。 ロッテとルイーゼは、もっとほっそりかわいいめのイメージだったのにー!
  まぁ、こういうのは、 「原作」も「アニメ」も「映画」も「劇」も別物として考えるのが正当なんですけど。 いつか、アニメ通りの実写映画を観てみたいです。 ちなみにこの映画はドイツにいた時、図書館の子供用企画に上映されているのを 偶然知って、それも喜びまざって観てきました。
ドイツでアニメ映画化

*LINK*
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虹の牧場 優しく書かれた各話粗筋に、
思わず涙ぐんでしまいました。
楓子の部屋 とても貴重な内容が充実しています。
ビデオジャケット絵が嬉しいです。

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ふたりのロッテ(C)エーリヒ=ケストナー/1949 // TMS・NTV/1991-1992