奇面組

われわれは、世の中の歯車となるより
世の中を味つけする調味料になろうではないか!

◆作品紹介◆
中学〜高校を舞台に、
超個性的五人衆「奇面組」+名ヒロイン二人、
名物集団、数多くの登場人物が巻き起こす非常識の嵐。
この独特のセンスは、ここでしか見られない貴重な一品。
(ネーミングギャグとか。) まずは読め

一時の黄金時代。その最中衝撃の、最終回。
長き空白(作者闘病)の末、不死鳥の如く復活。
そこで明らかになる、驚愕の作品水準維持力。
そして、何故かガンガンにて『フラッシュ』連載開始。

今の世に“個性”を問う!
(・・・というのが、作者の当初の趣旨だったのです。今も?)

週間少年ジャンプ連載。(1980〜1987)
『三年奇面組』(JC全6巻・絶版/JCS全4巻)
『ハイスクール!奇面組』(JC全20巻・絶版/JCS全13巻)
月刊少年ガンガン連載中。『フラッシュ!奇面組』(2001 09〜)
TVアニメ(1985 10 12〜1987 09 21)全86話
アニメ映画(1986 07)
(作品紹介エセらぶこめ風)
「私、河川唯。中学2年生。
こないだここ、一応中学校に転校して来たばかり。
宇留千絵っていう、名前通りおしゃべり好きな仲良い友達も出来て、
とりあえず学校生活は円満。 でも最近、なんか考えちゃう。
私達って、これでいいのかな。こんな、同じような…。
そんな天気も良いある日の休み時間。
トイレの帰りに廊下ですれ違った彼等は、私の日常を一変させたのです。
…私の、人生も…」  (by気になる彼は三歳年上のクラスメイト。)

◆感想◆
   =出逢い=
  多分。生まれて初めて読んだ漫画。私の原点その(2)。 物心ついた時に家にあった漫画は、 兄の所有物である『奇面組』と『燃える!お兄さん』数巻でした。 (ちなみに後者は始めは良かったんだが(雪絵ちゃんの髪型とか)、 次第にアレな内容になってきたのでポイ。) それしか私の周りに漫画がなかった時期です。 当時の私にとって漫画=奇面組でした。 奇面組をあからさまにぱくったオリジナル設定のらくがきを兄に見られて、 非常に恥ずかしかった記憶があります。
  アニメは再放送でちょこっと観ただけなのに、 面白い歌が多くて気に入って、CDテーマソング組は持っています。 (アニメ、新沢先生もすごい気にしてましたけど、絵が…。 どうしてあれだけ細かに指定されたのに、ああなっちゃうのかなあ。 奇面組の絵って、すごい微妙なバランスで成り立っているから、実はとても難しい。 今の作画レベルなら大丈夫なのかしら。 まぁ、そんなわけであまり観たいとは思いません。 そして個人的に学ランの色は原作の方が・・・)

   =最終回=
  多くの読者にトラウマを残したといわれる最終回ですが、 私は別に不満もなにも思いませんでした。 随分経ってようやく、○オチというのが世間ではよろしくないらしいと知ったくらいです。 私は、あの終わり方にとても満足しています。 はっきりとした結末で「このお話はもう終わりです」といわれるより、 これから2度目の可能性が残されている方が優しい終わり方だなあと。 また同じ事が起きるのか、それともちょっと違ったどたばたになるのかな、とか。 なんか本編では時間に縛られてた感が強いので、 これからは私の知らないとこでのびのびやっていってね、という感じで。 私は勿論、影なしで読んだので、もしあそこで出会わなくても、 今まで楽しい夢をありがとうみたいな… そんな読後感でした。

   =復活=
  いつも何冊かそばにあった本もぼろぼろになったあげく、 数年前の引越しであとかたもなく消えてしまい(涙)、 「買い直さないといけない本リスト」に入っているものの、ついつい怠慢。 今現在手持ちは三年1巻と『帰ってきた』1冊とフラッシュ1巻のみ。 『奇面組』を原点に持つ者の身としては悲しい状況です。 (ワイド版好きな私でも、奇面組を買い直すなら絶対に単行本verだ!)
  『帰ってきた』の発売を(日本のネットで)韓国で知った時は、 驚きと嬉しさと欲しさでいてもたってもいられませんでした。 (数ヵ月後、一時帰国で無事にゲット。)
  でも新連載のニュースを知った時は、嬉しさよりも不安にかられました。 何故 ガンガン!!??? (どうせなら月刊ジャンプとか…) (この事情については、『解体全書』にインタビューが載ってましたが。) 発売後にガンガンHPに様子見に行ったら、表紙に彼らがいて。
・・・ほんとだ・・・ ほんとに始まったんだ・・・
なんかもう。また、いてもたってもいられなくなりました。 でも、日本にない私には手も足も出ません。 タイミング良く9月末に旅の為一時帰国した際、すぐさま本屋で確認したら、
・・・・・・・・本物だあ・・・
・・・感動。してしまいました。
でも。
数年振りに手にしたガンガンは、 卒論が胸につかえていた私にとって、厚く、重かった。 断腸の思いでその店を去りながら、 (友人に頼んで、今度の帰国まで待とう…)と、心に決めたのです。 (結局頼まなかったので持っていません。)
まあ、その後随分経ってから単行本でようやく『フラッシュ』を読んだのですが、 どうしても一言。
『帰ってきた』でもそうだったけど…。
今どきの制服ヴァージョンは、50歩譲って目をつぶります。 でも。でも、黒の学生かばんだけは残して欲しかったよ!!! 学ランと学生かばんは、セットだろう!? (制服好きの主張)  スポーツバックしょってる奇面組なんて…!

   =気に入りどころ=
  『ハイスクール』→『三年』の順で読んだ私は、 最初の方の絵の違いとギャグが新鮮でした。 一生懸命描いた手垢のようなものが残ってる初期の雰囲気が、とても良いのです。 一番好きなのは『三年』第1巻。あの古めかしいかわいい表紙と絵柄が大好き。 唯ちゃんの髪の描き方が独特なのも大好き。 私の理想のセーラー服の基本形はこの作品で形作られた。

  お気に入りキャラは豪君と鈍ちゃん。 次点は妖君と邪子さん。(かっこいいので。) 零さん鈍ちゃんチャコのご近所3人のやりとりが、 学校(集団)を離れた私生活って感じで好き。 もっと色々描いてほしかったわぁ。
こんなに笑える漫画なのに、それぞれのキャラの生活とか 日常臭がちゃんと描かれていて、非現実すぎないように見せてるなあとか。

  最強衝撃のギャグは、豪君の「足のウラ毛」!!! 久々に読んだ時、窒息死するかと思った。 この言葉を思い浮かべただけでも足の裏がむずがゆくなる!!  (ついでに、「蚊帳」という単語でいつも彷彿するのは、零さんのお祖父ちゃん家…)  ネーミングで一番やられたのは、 うしろまわしげりさくれつ組。もう大好きだ。

  ギャグ漫画にしては作中カップルの数が多い、この漫画。 (やはり登場人物の数に比例するのか。) その中で密かに一番気に入っているのは、河川一平v一堂霧。 交換日記にやられました。兄姉は主人公vヒロイン 、その妹弟もこっそり…というところがかわいい。(しかも兄姉より進展してね!?) 中学でセーラー服&学ラン優等生健全カップル。健全すぎ。萌え。 想像しやすいけど、一番その後を垣間見たいカップルかも。 交換日記のその後を是非!
(実はヒッコとちちにいちゃんもちょっと気になる。) (このちちにいちゃんの呼び方、元ネタとかあるんですか?判る方、教えてくださ…)

  あと気になりどころ。
奇面組5人と鈍ちゃんの、おちゃらけギャグ担当男子キャラ。 二等身になる頻度が他キャラに比べて高いせいか、大きいヴァージョンが、 やけにかっこよく見えてしまうんですが。 もしかして先生、このギャップによる目の錯覚まで考えてるんですか!? (実は皆、結構背高くてスラッとしてるんだよね…。)
『三年』を初めて読んだのは多分私も中学の時だったと思うのだけれど、 千絵ちゃんの髪型が全然違くて、おどろいたものです。 私の中学が基本的に髪を結ぶ校則だったので、え、なんで中学なのに髪結んでないの? ハイスクールになってポニーテールにした千絵ちゃんが「高校生になったんだから大人っぽく」 と言っているのを読んで、え、反対じゃない!?と思ってしまいました。 なのでいまだに、三年の千絵ちゃんの髪型には慣れません…。

◆帰ってきた◆
6本の完全新作を載せた、マガジンハウスの増刊。2000年に発売。 別名、はじめてシリーズ。
  のっけから豪君と千絵ちゃんの恥ずかしい話が!(笑)  絵と話の質の変わらなさにびっくりしました。そして安堵感。 邪子さんは、さらに美味しい設定のキャラに変わってましたね! 私としてはポニーテールリボン大好きなので見ごたえがありましたが、 別に前の設定でもいいです。豪君想像の極道家の方が似合ってるよなあ。 犬の名前が全部ジャから始まるのね。
  好きな話はやっぱり一番最後の過去話です。すごい豪華な話になってる。 色んなキャラの子供時代が見れて、めちゃめちゃ嬉しい。 事代先生にプルプルしている妖君に笑った。 (千絵ちゃんのお兄さんは、もういないことになってるのね…残念;)
  ロングインタビューや単行本全表紙や全巻頭コメントやら、とにかく必読の一冊。 単行本にもなったけど、雑誌での内容がそのままそっくり入っているの!?(カラーページとか…) 雑誌版のは、もう手に入らないのかな? (私が持っているのは雑誌版だけど、裏表紙がうる星のDVD広告なのも個人的にうはうは。)
解体全書もおすすめです。 今、奇面組の漫画をほとんど持っていないので、見てるだけで楽しいです。 インタビューでも色々明かしてくれてます。 最終回についてのコメントには、うんうんって感じ。

◆韓国版◆
  なんと私、奇面組の韓国語版を持ってます。貴重な1冊。 1998年の夏に、韓国の漫画専門店を物色していたら、 本棚の隅っこに挟まっている、ぼっろいのを見つけたんです。 まさかこんなところで奇面組を発見するとは! 「これは希少価値がある!」と瞬間的に判断しました。 レジに持っていったら、店員も不審そうに、 「題名も心当たりないし…。この客、どっからこんなの見つけたんだ?」 というような表情。(でも、本自体は1996年出版。) 無事に売ってくれたので、今も私の本棚の隅に挟まってます。 (買われても居場所は変わらない不憫さ。)

  外見→表紙がハイスクール2巻、裏表紙がハイスクール16巻表紙。 内容→ハイスクール1巻の内容。本自体は1巻目になっています。 しかも話のものすごい途中でいきなり終わってます。 (オートバイ通学の6ページ目、豪くん脱出のコマで。) 新沢先生の著作権を明記してあるけど、あからさまに海賊本くさいです。 気になる登場人物の名前は、当然韓国風。 名前も特に凝ってはいないようです。難しいですからね。 ちなみに、織田魔利の名前だけは、そのままマリ。 運動塊の名前は、運動[ウンド]。 (両方共、韓国で一応ありえる名前です。) 他は皆、韓国特有の名前の発音表記が難しくて 紹介するのが難しいのですが、簡単に表せる例で挙げると、 唯→うんぎょん  零→ちゅんぐん
個人的には千絵ちゃんの名前がかわいかったです。 (かわいい音をそのまま文字で伝えられないので省き…。) 「奇面組」、「腕組」など、組の名前は、 (あ!今初めて「腕組」の由来が判った!)←遅すぎ!!!  各組のリーダーの名前を取って、「○○派」となっているようです。 (別に各組のメンバーの苗字が皆同じ、とかでもないらしい。 韓国は苗字のだぶりが多いから、それもありかなと思ったのだけど。)
  日本文化正式開放(2000年くらいだったかな)以前の日本漫画は、 それが日本のものであることを隠さなくては出版できませんでした。 (暗黙の了解で、みんなそれが日本のだとはわかっていても。) 相撲部や、おじいちゃんの服のひらがなや、邪子さんの煙草には修正が入っていました。 二階堂君の胴着はそのままです。 一応、最初の注意書きに「本書の内容は、国内情緒に合わせて脚色、修正されています」 との断りが出ていました。こういう一言があるといいなあと思いました。
ちなみに題名も全然違います。(これについては何も言うまい。) もし、どんなのか見てみたい!という方がいればスキャンupしてみようかしら。
韓国は相当な数の日本漫画(え、こんなのも!?というマイナーぽいものまで)が 正式翻訳出版されているので、ガンガン有名だし、 もしかしたら今はフラッシュ翻訳版が向こうで出ているかもしれません。 (もう帰国してしまったので未確認です。)

◆新沢作品◆
  まず。『したたか君』は、まだ読んでません…。
長いこと探していたのに、なかなか出会えなくて気がかりだったところ、 とんでもないところで思わぬ拾い物をしました。 (幻の)短編集、『古代さん家の恐竜くん』。 高校の寮の帰省掃除の時に、男子寮側のごみ置き場で発見しためっけ物。 幸運に感謝しながら、手厚く拾って持ち帰りました。

『Mr.愛NG』(1983年『古代さん家の恐竜くん』収録)
  男主人公の愛丘太郎くんと、くさい話がお気に入り。 (ヒロインは結構どうでもいい。) 愛丘くんの「姫」呼ばわりに、ハートを撃たれました。 名前に「ひめ」が入ってないのに、「姫」呼ばわりっていうのが!! 彼の言う「姫」って、身分的な意味合いではなく、 相手を大切に扱いたいという思いを込めての、「姫」なんです。(そんな説明しなくても。)  「姫」呼ばわりする時のさりげないスキンシップも見逃せません! こんなに熱くなっときながら、明かすのもなんですが。 作中で実際に「姫」呼ばわりがあったのは、たった2回…(ぇ。
せっかくなので、台詞を抜粋。
「今の世の中、異常ってのは正常ってことなんだぜ。わかりますか、姫?」(p.154)
「姫はわかってくれたんだろ?」(p.173)
いやー、彼はかっこいいですよ!? (「姫」抜きにしても!)

◆LINK◆
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新沢基栄/奇面組(C) 集英社/ ENIX