BLUE SEED
楓至上主義の感想

BLUE SEED
奇稲田姫の一族、藤宮家に双子の姉妹[楓と紅葉]が「奇稲田」として生まれたことにより、怪物「荒神」達が復活してしまった。
  奇稲田が死ぬことによって、荒神も全滅する。奇稲田は国を荒神から守る為の人柱である。荒神は保身の為、人間の男の子[草薙護]を荒神化し奇稲田を守る宿命を与えた。
  双子は別々に育てられ、姉の楓が奇稲田としての宿命を一身に背負うことになった。しかし15年後、楓が失踪してしまい、何も知らずに育っていた妹の紅葉が奇稲田として荒神と戦うことになる…。
(1994/10/05〜1995/03/29。全26話)
高田裕三『碧奇魂ブルーシード』

  勾玉、日本神話、ヒーローvヒロイン、林原めぐみ、が無条件で好きな人は楽しんで鑑賞できると思います。モチーフは魅力的ですし、OPも良いです。
  …ところが、話の進むにつれて戦う相手が、VS荒神→ 妹VS姉になります。
*(妹に比べて)姉は損をするというのを地で行く内容なので、身に覚えのある諸姉は鑑賞に一考を。もし観た方はきっと同じような↓感想を多少分かり合えるのではないかと思います。
  特に気にならず、純粋に楽しめるのであればそれに越したことはありません。

色々とやりスギの おまけシアター(全13回)

どれだけ不公平か(ネタバレ)
姉:国木田 楓:
妹:藤宮 紅葉:
↑設定比較しようとしてやめた。

(↓*紅葉好きな人は読まない方がいい感想*↓)

  ぶっちゃけ「奇稲田である紅葉一人さえ人柱として死ねば、荒神はいなくなって国が助かって平和になる」っていうシュールな設定を活かせば、登場人物に色々な思惑を持たせてもっとドロドロ暗い劇にもなるはずなのに。ところがこの作品では「紅葉の周囲にいる人は全員、紅葉完全擁護=善人=荒神のせいで実際に大勢の人間が死んでも、紅葉一人の命だけは守る。=紅葉は草薙との恋を謳歌できるかどうかが一番の大問題なので、自分が死ぬ気は更々ない。」←多分言い過ぎじゃないです。
  …主登場人物達の姿勢と作品内容が、とことんまでにヒロイン紅葉至上主義。ちょっと視野を移して作品設定世界観+諸々から見渡すと、あんまりにもあんまりな紅葉ご都合主義的内容に辟易して毒の1つや2つ吐きたくなること受け合いです。いくらモチーフが好みでも、紅葉が受け入れられないと相当辛いです。 (といっても、こっちはこっちで楓至上感想なので…あまりひとの事言えません。)
  私はと言えば、放映当時最初から1/3くらいまで観てたのだけど、なんだか紅葉→草薙に嫌気がさして終わりました…。体に勾玉がのめり込んでるとか、重要な力がある女の子を男の子が守るとかの設定には、かなりのときめきと影響を受けました。
  でも、双子の姉という楓の存在がわかったら、もう草薙v楓しか!!(書いてて気付いたけど、「犬夜叉v桔梗」系統〜) しかし、草紅サイトしかないんですね…。 漫画は巻が短すぎて、話が楽しめるのか不安で読んでいません。未完だしね。OVA2まであったのか…。

  その後… TV版をほぼ、楓に関わるシーンだけ全部見ました。以下、相変わらず更に「楓と草薙×楓」視点で感想語り。(妄想猛毒)(ぱっと見で関係なさそうだったら映像を飛ばしてたので、更に抜け落ちた感想になってると思う。すみません。)
  やっぱり当時途中まで観てて感じた、私の楓好きは変わらないなあ〜と再確認。と同時に、作品に一貫している紅葉万歳に完全失望。(そりゃ「高田裕三×林原めぐみ」ヒロインなんだからあきらめるしかない。)
  ・楓は第01話冒頭から出てたのね! ・そのシーンから本編までほとんど時間経ってないよね。なのに周囲の楓→紅葉移行の態度が受け入れすぎじゃね。本編冒頭のたった今まで15年もの長い間(人によって様々ですが)一緒にいたのは楓でしょ?その事を作中でそれなりにひきずってたのって養父の国木田さんと草薙くらいだよね。
  ・でも草薙には多大なる文句が! ・まずそれまでの15年間(楓)と、直後の短時間本編(紅葉)とで奇稲田に対する態度変わり過ぎ。(それは「紅葉の人柄のなせる技」なのよvって視聴者に分からせてるのも腹立たしい。楓との年月をなんだと。) ・第01話冒頭で楓が失踪する時、あんなに大事[おおごと]になっていたのにも関わらず、真っ先に奇稲田(楓)を護るべき草薙が駆け付けるのが遅すぎ。遅すぎる。この遅さは、後から見ると異常に不自然。今後の紅葉の守りっぷりは置いといて、あんたその前には、夜道で凶器を持った人に襲われた楓をすぐ守ってたじゃん。もし冒頭で失踪ではなく同じような悪漢に襲撃されたのだとしたら、本来の冒頭でのその遅さでは確実に楓は死んでますよ…!
  <妄想-->・で、私が思うに楓はこの時(第01話冒頭)、奇稲田としての自分の使命を深く考えているのと同時に、草薙が来てくれるか賭けてたんだと思う。それ以降、草薙と接触しても彼にあまり思いを残してる素振りがないのは、この時にすっぱり断ち切ったから。楓はそういう心を持てる、本当に悲しいくらい強い子なんだなと…。
  ・この時にでもそれ以前にでも、草薙が楓を1度でも抱きしめてあげてたら、楓はこんなことにはならなかったと思うんですよ。観直しながらずっと思ってたんですけど。まずお前(草薙)は、楓を説得戦闘云々の前に、1度抱きしめろ。話はそれからだ。<--妄想>
  ・そもそも説得とか言って、あなた15年間そばにいながら一度も楓に声をかけてあげなかったじゃないの…。それを今になって…。ようやく会話できる時が来たのに、反発の言葉しか交わせないなんてひどすぎるTT
  ・楓が木の上にいる草薙を見上げて、「ずっと見守っていてくれてありがとう。」と言うシーンが本っ当に大好き。放映当時の初見から心に沁み込んでます。草薙は楓を15年間ずっとずっと、陰から見守ってきたんですよ。一度も言葉を交わさないまま…。楓は実社会で本当の意味では一人ぼっちで、過酷で寂しく、でもそんな事をおくびに出さないように生きてきて。本当に良い子で。そんな楓を草薙はずっと見守って生きて来て、楓もずっとそれに気づいていて。それがどんなに心強く嬉しいことだったか。
  ・草薙が生まれてからの人生って「荒神と楓」だけなんですよね。彼にとっては「(荒神であること=)楓(を護ること)」が全てだった。楓も「奇稲田」だけのはずだった。でも草薙が自分を向いてくれていたから、彼女の中に「草薙」という居場所が生まれた。・つまり、「荒神=草薙⇒←楓=奇稲田」(心の方向。) 加えて「奇稲田≧荒神」という運命共同体(一方的な)。この関係を、生まれてから幼少時を経て思春期の15年間ずっと…! なんだこの、新に湧き上がる草薙v楓への愛情は…
  ・楓が失踪しないままの平和な草薙v楓も望みだけど、楓を守れなかった後悔と自責で苦しんでいる草薙も好きなんだわ。楓へのすごい愛を感じる。両方捨てがたくて悩みます。


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